声にだして読みたくなるブログ

大村高広丨建築と写真を中心に、音楽、映画、美術、人文学などについて書いている備忘録です。

MAY.30,2019

 ひさしぶりにロボットアニメをみたいと思い探していたら、2017の「ナイツ&マジック」を見逃していたことを思い出したのでイッキ見してしまった。スパロボ好きにはたまらない展開で、作画もすごくよくて、よかった。いわゆる「異世界転生モノ」のフォーマットに、ゆうしょただしい「ロボットアニメ」のフォーマットが重なっていく。むしろ「異世界転生モノ」というフォーマットを借りる必要などあったのかと考えてしまうのだが、これは現状のほとんどの異世界転生系アニメ(というかなろう系ファンタジー全般)に指摘できることかもしれない。「異世界転生」という形式(異世界転生じたいは100年以上まえに書かれたマーク・トウェインの『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』(1889)ですでに成立しているフォームなので、ものすごくありきたりなテンプレートではあるわけだが)をもってしないとファンタジーを書くことができない、という思いが作者にあるのだろうか。それとも「異世界転生」じたいになにか現代の若者を満たしてくれるナニカがあるのだろうか。ファンタジー世界の住人に「現代の私」というペルソナを背負わせることを欲望する身体について、誰かしっかりと論じてくれないだろうか、と思う。多くの若者が「とりあえず一度死ぬ」ことを欲望し、それがファンタジーアニメの導入のスタンダードになっているというのは異常なことだと、あらためてそう感じたのだった。ともかく現状ではこの形式が氾濫しすぎていて、どのファンタジー系アニメも「異世界転生」という導入に別の形式を重ね合わせてオリジナリティを出していく感じで、ほとんど大喜利みたいになっているのは確かである。「ナイツ&マジック」は普通にすごくおもしろかったので、ぜひ続編も制作していただきたいと思う。

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