声にだして読みたくなるブログ

大村高広丨Takahiro Ohmura

MAY.4,2020

 とてもおもしろそうな共同のお誘いがあって、今日はどうしてもそのプロジェクトについてあれこれ考えていたのだけど、ウキウキしすぎて家でじっとしていることができず、外で散歩ばかりしていた日だった。先週までは気が向いたらジョギングをしていたのだけど、最近はジョギング時もマスクを!みたいな風潮があって、そんな現役アスリートみたいなジョグはしんどいなと思い運動はウォーキングに切り替えたのだ。で、どうせウォーキングをするならドラクエウォークやってみるか、とダウンロードしてみたらすごい楽しくて、けっきょく一日中カメラを肩から下げて散歩(ドラクエ)していた、というわけだ。

 自分は流行っているものにすぐに手が出せないフットワーク重めの人間で、ドラクエウォークもずっとやりたかったのだけど手を出せずにいた。けっきょく、半年以上遅れてはじめてしまった。流行っているコンテンツはどうしても競争的にプレイしてしまって、ついつい熱が入って。それが苦手で(周囲を気にせずマイペースに楽しめばいいのだろうけれど)。ただ、そうやって周回遅れではじめたコンテンツはたいてい初心者救済システムが実装されているので、今回のドラクエウォークもそうだけれど、レベルがすいすいあがったりしてリズムよく楽しめるという利点もある。ただやはり、一緒にみんなでわーっと盛り上がるとうことがないのは少しさみしい。おんなじような理由で、わーっと盛り上がっているイベントとかに参加をためらってしまう自分がいて、どうしたもんかと思う。理由はおんなじで、多くの人々と同じコンテンツを共有するというときにどうしても競争的な態度に(自分が)なってしまうことに耐えられない(比較的少人数であれこれ議論するのは大好きなのだけど)。アイデアコンペとかもめちゃくちゃ苦手だ(学生時代は建築家はプロポで仕事をとるもんだと思っていたから、訓練だと思ってしょうがなくやっていたけど)。エスキスもとてもいやだった(学部2年と3年合わせて両手で数えるくらいしかいっていない)。科研費も絶対に書きたくないと思っていた(じっさい書いてない)。アトリエ系の設計事務所はスタッフに競争させてボスがそれをジャッジするみたいな構造があるから絶対に行きたくないと思っていた。とはいえ、大学の教員は競争的に資金を調達しなければいけないし、プロポは避けて通れないし、お先真っ暗である(とはいえ、苦手なことはやっぱりやりたくないと思う)

 なんでここまで競争が苦手なのか。いや、スポーツは見る分には大好きなので、第三者的に競争に関わるのは全然問題なくって、自分が当事者として競争に関わるのはなんでこんなに苦手なのか、ということなのだけど、たぶん中高陸上部だったことが大きく関係していると思われる。「The 競争」である陸上競技においては不可避である、どれだけがんばっても怪我ですべてがパーになってしまったり、努力も虚しく大会ではドライに順位が決まってしまったり、そういうひとが身近に生じてしまうような経験が今でもトラウマになってしまっている、のかな。

 たくさんの人があつまると、どうしても場が競争的な雰囲気になってしまうのは避けられない。それによって何かクオリティの高いものが作れたり、切磋琢磨して有意義な時間を過ごせたり、ということは当然あるのだろう。しかし、そのなかでどうしても、ないがしろにされたり、むくわれなかったりする人が生まれてしまうのならば、それは嫌だなと思う。であれば、クオリティの高さも切磋琢磨もいらないと思う。ぼくがただ、怠惰なだけなのかもしれない。それでも自分にとっては、「参加しない」ということが、せめてもの抵抗になる。

 なんてことはない、問題は規模なのだ。たとえば3人という規模での集まりであれば、遊びは生まれても競争は生まれないと思われる。10人くらいでも大丈夫。100人を超えるとたぶんダメで、競争が生まれてしまうと思う。規模、サイズの問題だ。なんてことないことだ。でもこの規模の問題は、何かを共同して制作するということに関する、とても重要な問題を含んでいるようにぼくには思われる。きのう、3-4時間ほどじっくりと少人数で真剣な話をする機会があったのだけど、それはとてもよかった。あなたについて教えてほしい、ということを、すごく久しぶりに聞かれて、これはひとつの救いなのかもしれないと思ったのだった。たぶん、数十人という規模でなければ、「あなたについて教えてほしい」と、ぼくらは言うことができる。そういう「わたくしごと」を話して、聞く、ことができるような共同の枠組みを、複数同時にかけもちするというようなことができればいいなと思っている。

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PENTAX 67, SMC TAKUMAR 6×7 105mm / F2.4, FUJI PRO400H