声にだして読みたくなるブログ

大村高広丨Takahiro Ohmura

倉賀野駅前の外構 / The Garden in Kuragano

2018.6 外構設計

* 齋藤直紀と共同 / fellowship: Naoki Saito

 

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 計画地は群馬県高崎市倉賀野駅前で、区画整理がおこなわれ、現在道路工事が進められている最中の場所です。駅前にある既存住宅は道路工事のあおりを思いきりうけていて、前面道路の工事を待つ関係で、竣工から5年たっても満足に塀が立てられない状況にありました。が、2018年の春に道路整備が部分的に完了し、ようやく塀が立てられる目処が立ったということで、外構整備の設計及び施工管理をぼくらが担当しました。塀が立てられなかった5年間で定着してしまった環境(施主の動線や習慣、ぐんぐん育ってしまっている植物、なぜか置かれている謎の石など)を否定するのではなく、むしろ引き継ぎながら、構成要素の配置と設計、植栽計画の検討を進めました。

  新たに配置した要素は4つありますが、使用した素材はいずれも敷地に既に存在していたものです。まず、敷地前面めいっぱいに展開する、ピンク色のピンコロ石でできた花壇。コンクリートブロックを半分に割って積んだ、棚のように使える塀。独立基礎を既存植物の根を避けて配置し、湾曲によってうまく自立するよう設計した、地中に半分埋まった手すり。庭の色彩を鈍く反射させるよう駅のホーム側に金属塗装をしたコンクリート擁壁。ここでは、既にこの敷地に定着していた施主=庭師の習慣(定位置からの水やり、手入れのための動線、石を置いていくリズムなど)や庭に根付き日々動いている植生を、既存の素材をもちいた外構の整備によってそのまま延長することを企図しています。

 塀=敷地境界線であることを宣言するこの4つの要素の、その外側に個人の庭があるという少し不思議な状況によって、所有者が誰かわからないような場所が随所に生まれ、道路や駅のプラットホームから視線を受け止めます。あくまでも個人が所有・管理する庭がノーガードで町に投げ出されるような仕組みを用意し、そこに慣習的な住居の寸法を逸脱したスケールを与えることで、どこか公共的な雰囲気を携えた開放的な場所を作ることができるのではないか、と、ここでは考えました。

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記録写真

◯ 2017年12月

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◯ 2018年5月

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△ 既存の植物を避けつつ施工を進めました。